大河ドラマ『青天を衝け』徳川昭武役:板垣李光人さんインタビュー

大河ドラマ『青天を衝け』
徳川昭武役:板垣李光人さんインタビュー

2021.8.14
青天を衝け

第15代将軍・徳川慶喜(草彅剛)の弟・昭武は、慶喜の名代としてパリ万国博覧会へ出向き、随行した渋沢栄一(吉沢亮)と特別な絆を結びます。14歳という若さで皇帝ナポレオン三世と謁見し、「プリンス・トクガワ」と呼ばれた昭武を演じるのは、現在19歳でありながら、2015年の『花燃ゆ』以来、二度目の大河ドラマ出演となる板垣李光人さんです。若くして大役を担った昭武について、同じ10代としてどのような思いを持ったのか、撮影エピソードとともにお聞きしました。

「昭武は重圧を凌駕するような強い気持ちと覚悟を持っている」

――二度目の大河ドラマ出演ですが現場の雰囲気はどうですか?

「13~14歳くらいのときに『花燃ゆ』で吉田松陰の幼少期を演じさせていただき、10代のうちに2回も大河ドラマという大きな作品を経験することができたのは、すごく贅沢なことだと思っています。大河ドラマは出演者もスタッフも人数が多く、独特な雰囲気なので、今回、久しぶりに現場に入らせていただいたときに、その空気感がとても懐かしいと思いました。

栄一を演じる吉沢さんの作品はいろいろと拝見していましたが、実際に一緒に芝居をさせて頂くと、すごく目が素敵でキレイだなと思いました。初めて見る世界に目を輝かせる子どものような澄んだ目をされているときもあれば、鷹のように鋭い目をされているときもあり、芝居でその目を感じることができて、すごくうれしかったです」

青天を衝け

――「プリンス・トクガワ」と呼ばれる昭武を演じるうえで大事にしたことを教えてください。

「徳川昭武についていろいろと調べたのですが、写真を見るととても気品があり、鋭いけれど柔らかさがある印象を受けました。現代だと中学生くらいの年齢で日本を背負ってパリに行きますが、慶喜がその大役をまかせようと思えるほどの品位やカリスマ性みたいなものがあったのではないかと思います。昭武のイメージを自分の中で膨らませて、空気を含むような動きにするなど、昭武という役を生きながら、佇まいや話し方、幼いころから染みついた自然な所作を見せることを意識して演じました。普段の僕は昭武とは程遠い日常生活を送っているので(笑)、撮影が近づくと歩き方から気をつけて現場に臨んでいます」

青天を衝け

――若くして日本を離れた昭武の内心はどのようなものだったと思いますか?

「ものすごく重圧を感じていたと思いますが、昭武はその重圧を凌駕するような強い気持ちと覚悟を持っているので、とても堂々としています。そんな彼の強さというのは、演じるうえで一番大事にしました。日本と日本のそれまでの歴史を背負い、皇帝ナポレオン三世に謁見したり、パリ万国博覧会で日本の存在を示すなんて僕だったら絶対に無理だと思います。また、日本を発つ前に慶喜に、“日本で事変が起きたと風聞を耳にすることがあっても決してみだりに動かぬこと”と言われたこともあり、大政奉還の知らせを聞いたときも衝撃はあったと思いますが、遠く離れた日本とのタイムラグも考慮し、“今の日本がどうなっているのか” “自分はどのように動くべきか”という考えにシフトチェンジしていくところが昭武ならではだと思いました」

――海外ロケに行けませんが、パリのシーンはどのように撮影したのですか?

「シーンによってはグリーンバックで撮影しています。皇帝ナポレオン三世に謁見するシーンも事前に絢爛な宮殿と、左右に人がたくさん並んでいる映像を見せていただきました。実際であれば周りに人がいる緊張感や呼吸、宮殿に響く足音を感じながら、正面にいるナポレオンに向かって進んでいくのですが、すべて想像しながら演じなければいけないので、集中力をすごく求められました。栄一と二人でセーヌ川の川辺を歩くシーンも、全部グリーンバックで撮影したので、風や川の匂い、パリの景色を想像して演じました。僕は環境に芝居が助けられることがあるので、グリーンバックの中での撮影というのはとても印象的でした」

青天を衝け

――栄一との関係性をどのように捉えていますか?

「二人は身分は違いますが、昭武にとってはとても近い家臣だと思います。昭武は柔らかい考えを持っている慶喜に影響を受けていたので、栄一の柔軟な考え方や聡明さというものに心打たれ、信頼していったのではないでしょうか。昭武が身分を超えて栄一に感銘を受けるシーンは見てほしいポイントですし、セーヌ川の川辺で昭武が栄一に自分の正直な思いを伝えるシーンはすごくいいものになっていると思います」

――ありがとうございました。

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