大河ドラマ『鎌倉殿の13人』北条義時役:小栗旬さんインタビュー

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』 北条義時役:小栗旬さんインタビュー

2022.12.3
鎌倉殿の13人

©NHK

源実朝と公暁の死によって、物語は次第に北条義時と後鳥羽上皇が争う「承久の乱」へと加速していく。鎌倉を守るために冷酷な決断をしてきた義時のラストはどのようなものになるのだろうか。撮影を振り返り、「やりきった」と話す小栗旬に、政子と三浦義村との関係や、大河ドラマ主演を務めた俳優としての思いを聞いた。

「“演じる”を超えて、“人間を表現する”ということを感じることができました」

――物語もいよいよ最終局面に入っていきます。最大の敵となる朝廷との戦いについて義時はどのように考えていたと思いますか?

死ぬ覚悟を決めていたと思います。自分の天命が終わるんだということを感じていたのではないでしょうか。姉・政子の演説によって、義時の思いとは違う形になっていきますが、朝廷に負ければこれまで築いてきたものをすべて失うことになる。「神のみぞ知る」じゃないですが、当時はそのような運にゆだねていたのではないかと思います。

鎌倉殿の13人

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――三浦義村とは不思議な関係ですが、義時は義村をどのように見ていたのでしょうか。

義村は掴みどころがないですが、義時から見ると基本的には絶対に自分を裏切ることがない男だと思っていたと思います。上手く立ち回れば生き残ることができる。死んでしまったらおしまいじゃないかという彼の考え方は非常に理解できるのでしょうね。幼いころからずっと共に生きてきたので、ものすごく信頼を寄せているし、いつになっても幼なじみというのが抜けないままいたのではないかと思います。義村を演じている山本耕史さんは、義時が義村の目にどのように映っていて、視聴者の方が義村のリアクションによって義時のことをどのように感じるのかということをわかって演じられるので、非常に救われました。政子を演じる小池栄子さんも耕史さんも僕の芝居を理解した上で適格に自分のキャラクターを表現するためのリアクションをとってくださるので、お二人の前では義時を大きく見せる必要がないと感じる瞬間が多くありました。

鎌倉殿の13人

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――小池さんの演じる政子もとても魅力的ですよね。

義時は姉の子殺しに関わっているので、僕としては本当に申し訳ないと思っています。けれど、政子って意外と明るくて、かなりひどいことが起きたときでも普通にしていられるので、どうしてなんだろうと思うことがたくさんありました。でもそれが人間なのかなとも思うんですよね。やはりどんなに深い悲しみがあっても生きていかないといけないじゃないですか。悲しみや苦しみに一度蓋をしなければいけない瞬間もあるのだと思いました。小池さんが演じたからこそ、そんな政子を説得力を持って見せられているのだと思います。

鎌倉殿の13人

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――では、大河ドラマの主演を務めて変化したことはありますか?

全48回をかけて、若いときから晩年の義時まで演じさせていただいて、ひとりの人間を生き抜くこと、人物を作るということはここまで深く読み取らなければいけないのだなと感じました。もちろんこれまでの仕事も同じように臨んでいたつもりですが、義時という役は回を重ねれば重ねるほど自分の中の選択肢が増え、役について考える時間がとても多かったんです。後半は台本をそれほど読まなくても場面が思い浮かびましたし、義時だったらきっとこうするだろうなと僕が思うことが台本に書かれていることもありました。僕は不器用なので、1年5か月という撮影期間を通して、“演じる”を超えて、“人間を表現する”ということを感じることができました。

鎌倉殿の13人

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――今後も大河ドラマの主演に挑戦してみたいですか?

1年4~5か月ノンストップで48回を撮り、ひとりの人物を描いていくというのはなかなか日本にはない場所だと思うので、また機会があればやりたいです。ただ、できれば今回と同じように、皆さんの先入観があまりない人物を演じたいですね(笑)。というのも、僕がここまで大河ドラマの主演を楽しめたのは、演じさせていただいたのが有名な人物ではなく、「皆さん、義時のことをそんなに知らないでしょ?」と言えることがすごく大きかったと思うからです。

鎌倉殿の13人

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――三谷幸喜さんが最終回をどのように描かれるのか期待していますが、小栗さんは満足していますか?

僕が偉そうなことを言うのは何ですが、三谷さんの脚本は本当に神がかっていたのではないかと思うくらい素晴らしく、毎回読むのが楽しみでした。三谷さんが大河ドラマをこよなく愛している方なんだろうなというのが伝わってきましたね。最終回もすごいです。クランクアップの日にプロデューサーとも話をしたんですけど、今からもう一回義時をやれと言われてもまったくできない、なにも覚えていませんというくらい、僕としては納得のいくラストです。

――ありがとうございました。

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